製造 | 導入事例

ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社

「システム開発の見積もり金額というものについて、
今回ばかりは深く考えさせられました

ユニ・チャームは、上海拠点のSAPシステムの運用を、あるSI会社からALSIに移行した。普通は、実装したSI会社が運用を続けるはず。その方が安定稼動性が高いはず。その原則に逆らって、なぜALSIに切り替えたのか、情報システム部の知名俊郎氏(上写真中央)と大場健純氏(文中大写真左)に聞いた。

写真:ユニ・チャーム株式会社 情報システム部 部長 知名俊郎様
ユニ・チャーム株式会社
情報システム部 部長 知名俊郎様

ユニ・チャームにとってのALSIの良さ。
今回のプロジェクトの数値成果

今回のプロジェクトを通じて分かったALSIの良さは。

思いつくまま述べれば以下のようになります。

1. ユニ・チャームは消費財の会社。ALSIは、電子部品製造のアルプス電気を親会社とするSI会社。

製造業としての価値観やニュアンスを共有しやすいのは良い。

2. 1円を削るコスト削減の感覚

「本日受注、翌日には配送。失敗すれば店頭欠品」というリードタイムの感覚も共有できた。
アルプス電気も同じような感覚の製造業だから。

3. 何かトラブルがあったときは、全員総出、総力戦で事にあたる。

そういう感覚、社内文化がALSIにはある。

今回のプロジェクトでの、数値に表せる成果は。

コスト削減という意味では、月々で370万円、年額では、4,440万円のコストダウンという試算になります。今回プロジェクトを含む、さまざまなコストダウン活動が認められ、お陰様で社長賞というかたちの部門表彰も受けました。また、運用にまつわる様々な課題が解決したことで、販売や製造などへの貢献という、情報システム部門の本来の仕事に集中できるようになりました。


今回のSAP運用移管プロジェクトの概要

今回ALSIに委託したプロジェクトの概要をご説明ください。

ユニ・チャームの中国拠点(上海)における、SAPの「運用」の移管です。ポイントを列挙すると以下のようになります。

1. SAPの初期立ち上げ(実装)は、別の会社(A社)が行った。運用もA社が行っていた。今回それをALSIに切り替えた。
2. 運用移管に伴い、データセンターの場所も変更。つまり「物理的な引っ越し」が発生した。
3. SAP運用の構成要素は、「サーバ類のハウジング」、「中国語ヘルプデスク」、「アプリケーション保守」の三つ。 当初は、サーバ・ハウジングのみをALSIに移管する予定だった。しかし最終的には、他の二要素もALSIに移管した。ALSIの方が相対的に良かったので。
4. エンドユーザーは上海にいるが、データセンターの物理的位置は日本である。

今回プロジェクトの目標

今回のプロジェクトにおける、当初の目標は。

コストダウンです。コストダウンを目標とせざるをえません。

「コストダウンを目標にせざるをえない」とはどういう意味ですか。

情報システムの成果としては、コストダウン以外にも業務効率化や経営効率改善などが挙げられますが、それらの指標は数値化しにくい。数値化しにくい指標は、成果がわかりにくい。やはりコストダウンという話が、いちばん成果として社内で見えやすいのです。

その他、プロジェクト進行において注意した点は。

リスクの軽減を心がけました。
今回プロジェクトは「SAP運用の移管」です。この場合、やや極論ですが、次のように言えます。

1. 「運用の移管」が成功したとしても、ユニ・チャームの売上げが上がったり、業務が効率化されたりはしない。
運用会社が変わるだけだから。
2. つまり、ユーザー部門にとって目に見えるメリットはない。
3. 一方、もしこのプロジェクトが失敗したら、SAPが止まるようなことになったとしたら、
ユーザー部門は「システム部門は何をやっているんだ!」と怒るだろう。

ですから、リスクが減るように心がけました。


なぜSAP運用会社を
変えようと思ったか

そもそも、なぜSAPの運用会社を変えようと思ったのでしょうか。

当時の運用会社A社のコストとサービスレベルに不満があったからです。ひらたく言えば、「値段が高い割に仕事ぶりがよくなかった」のです。

本来ならシステムは作ったところが運用するのが、シンプルでリスクも少ない。しかし、A社の高コストには見過ごしがたい部分がありました。製造や流通など他部門が一円単位でコストダウンに取り組んでいる最中で、悪い意味で目立ちました。この状態は放置できない。いちから考え直そうと思い、A社を含むSI各社に提案をいただくことにしました。いわゆるコンペです。

運用会社をうかつに変更してシステムが動かなくなるのでは...という恐れは感じませんでしたか。

APなので大丈夫だろうと考えました。SAPはおおがかりなシステムですが、結局はパラメータベースのパッケージ製品です。運用会社を変えても、それほど致命的なことにはなるまいと判断しました。


6社によるコンペ。
うち3社が選外となった理由

以下の6社が候補に上がりました。

A社(SAPを実装した会社。商社系)
B社(製造業系大手)
C社(製造業系大手)
D社(外資大手)
E社(外資PCメーカー系)
ALSI

これら6社を比較検討した結果、B社とALSIの2社が最終選考に残りました。

B社とALSIの2社が最終選考に残った。他の4社が選外となった理由を挙げてもらった。(A社については本文中)

理由は、以下の通りです。

C社(SI系大手)

ハードウエア、ソフトウエア、SIを手広く手がけている大手企業です。しかし提案には、自社製品を売り込みたい様子が色濃く出ていました。何が何でも自社製品を採用させたいという売り手都合の提案であり、ユニ・チャームにとってリスクが高そうなので早々に却下しました。

D社(外資大手)

こちらは選外と言うよりは、自ら辞退してきました。「運用」のような泥臭いことはやりたくないようでした。

E社(外資大手)

こちらはPCハードの安価販売で有名な会社です。評判に違わず、ハードウエアとしては安価な構成の提案をいただきました。しかしハウジングや運用まわりの提案が弱かった。「協力会社と連携を取って...」というような曖昧な話で、自社にノウハウがないことが透けて見えたので、却下といたしました。


SI会社には
「信頼できる見積もり」を期待したい

もともと運用を担当していたA社が今回、選外となった理由は。

信頼関係の問題です。
今回のテーマは「コストとサービスレベルですよ」とは最初から伝えていました。しかし最初は値段は下げられませんという回答でした。ところがコンペ競合会社が安い価格を出してきたと知って、それに合わせて値段を大幅に下げてきました。
こうなるとですね、「最初の値段は何だったんだ」と思わざるをえない。こういう「後出しジャンケン」のような値下げは個人的に好きではありません。これをやられるとその会社を信頼しにくい。正論で考えるならば、以下の二通りの見積もりしかないのではないでしょうか。

パターン1:
これまでと同じ価格の見積もりを出す。その上で、ウチが高価なのはこれだけのことをやっているからであり、安かろう悪かろうの会社とは違うのだと堂々と説明する。

パターン2:
価格を下げた見積もりを出す。ただし価格を下げた理由を、合理的に納得のいく形で説明する。
今回ばかりはSI会社が出してくる見積もりというものについて深く考えさせられました。SI各社には、納得性の高い、堂々とした見積もりを期待したいものです。


なぜALSIを選んだのか

コンペはB社(製造業系大手)とALSIの一騎打ちとなりました。最終的にALSIを選んだ理由は。

B社もALSIも甲乙つけがたかった。最初に出てきた提案書だけ比べるならB社の方が上とさえいえました。しかし、総合的に見ていく中で、ALSIの方が少しだけ上回っていました。また、感覚、直感レベルの理由もあります。

「感覚、直感レベルの理由」とは。

プロジェクトの成功に100%はありません。最後の決断に、「エイヤ」の勢いはどうしても入る。エイヤの後は出たとこ勝負。どんなトラブルが起きても最後まで共に戦い抜いてくれる、「パートナー」が必要です。ALSIなら、パートナー足りうると直感できたのです。

ちなみにB社とALSIとで見積もり価格を比較すると。

最初の段階では、B社の方が安かった。しかし、その後、条件を擦り合わせていく中でALSIからも納得のいく価格が出てきました。

擦り合わせる中で納得いく価格が出てくる」...これはこれで「後出しジャンケン」なのでは。

いえ、ALSIの場合は、安易に値下げしてきたのではなく、共に協議しながら、納得のいく形で価格を調整したので、良いのです。
例えば、ある経費を、資産計上にするか、償却扱いにするか。通常なら一次費用とするところを償却資産にすれば、ALSIの中で平均化できるとか、そういう様々な工夫をしました。
我々としては値段が安くなるのは基本的には嬉しいですよ。でも信頼関係を損ねるような値下げはしてくれるなという話です。


ALSIが良かった点。
不安だった点

ALSIを選んだ理由、ALSIが良いと思えた点は具体的には。

列挙すると以下のようになります。

【中国でのパイプ】
中国にはNEUSOFTという社員10,000人の大手開発会社があります。アルプス電気のグループ会社(=アルプスグループ)のアルパインは、NEUSOFTの株主です。この事実により、中国現地における開発力の高さが期待できました。
そして、実際にも、高い開発力を発揮してくれました。SAP既存アプリケーションの保守は、最後はNEUSOFTに依頼しましたが、単なる保守にとどまらず、弱い部分を強化する「改善」をしてくれました。当初ALSIには「運用」しか期待していなかったので、これは「嬉しい予想外」といえます。

【ユニ・チャームの基幹システムでの実績】
弊社の日本の基幹システムはALSIにお願いしていますが、その運用リーダーのマネージャーからは「ALSIは、ねばり強くて、いいよ」と力強い推薦がありました。

【腹を割って話せそうな点】
ユニ・チャームは「わがままな会社」です。世の流れがどうであろうと、自らが良しとすることを「ごり押し」します。その「ごり押し」を、正面から受け止めてくれる会社が必要でした。ALSIならば、基幹システムでのつきあいの歴史を考えても、大丈夫であろうと。

【「ニュアンス」を共有できそう】
消費財の製造業として過去10年の間に、販売、物流、経理システムを構築、運営していく上で培ってきた、いわく言い難い「ニュアンス」を、中国のシステムでも実現したいと考えました。同じ言葉を使えるSI会社、ぜんぶ言わなくても理解してくれるSI会社を求めました。

逆にALSIで不安だった点は。

ALSIには、SAPの実装、運用の経験がなかった点。これが一番の懸念でした。

その不安はどう解消したのですか。

ALSIに説明を求めたところ、「たしかにALSIに実績はない。しかしアルプスグループのアルパインには実績がある。アルパインは、SAPを苦労しながら実装し、安定稼働にこぎつけた。その中で色々なノウハウを得た。特に失敗体験の部分が、ユニ・チャームの役に立つはずだ」との説明でした。
なるほど、失敗経験を通じて得たノウハウならば貴重です。不安を解消するための、ひとつの材料となりました。


超短納期を乗り切る

プロジェクトがはじまってからの、ALSIの働きぶりはいかがでしたか。

プロジェクト開始が11月。カットオーバーが2月。この2月という締め切りは絶対でした。現場で使用中のSAPシステムを一時停止できるのは、2月の春節の休みの時だけだったからです。また、3月の社内諮問会議の時にも、何としても、コストダウンの報告を行いたかった。短納期であることは承知でしたが、それでも必達でした。
プロジェクトの途中には、ちょっとここでは言えないような、強烈な障害が持ち上がったこともありましたが、ALSIは、良く乗り越えてくれました。ALSIの営業マンによれば、「アルプスグループには、火事場の馬鹿力というDNAがありますから」とのことでした。


「やはり、製造業系のSI会社はウマが合う」

プロジェクトを終わってみての感想はいかがでしたか。

やっぱり製造業系のSI会社の方が、非製造業系のSI会社よりもいいな、ウマが合うなと思いました。

「ウマが合う」とは、具体的にどのように。

あくまで私の主観ですが、例えば、納期とかリードタイムとかの言葉ひとつ発するにしても、そこに込めるニュアンス、感覚が、製造業系SIと非製造業系SIとでは大きく異なります。
ユニ・チャームは製造業です。ムーニーやトレパンマン、オヤスミマンなどの消費財を、一個、二個、三個と店頭でお買い上げいただくことで、会社の生計を立てています。そんな我々がリードタイムという言葉を使うとき、その根底で「ご注文をいただいたら、翌日お届け」という感覚を持ちながら話しています。納期が延びれば、店頭で欠品が起こるという恐怖を感じながら。
一方、非製造業系の業種、たとえば商社の場合は、大量買い付けの契約を交わし、商品を船に積み込んで、その商品が一ヶ月かけて船でやってきて、それが倉庫に入って、それから全国に小分けで配送されてという感覚だと推測します。 良い悪いの問題ではなく、製造業とそうでない業種では、時間に関する感覚、欠品恐怖の感覚が、互いに異なるのです。良い悪いではなく、向き不向きでいえば、ユニ・チャームのような製造業の会社にはやはり製造業系のSI会社が向いているような気がしました。今回アルプスグループのALSIと一緒に仕事をして、その感を新たにしました。


今後ALSIに望むこと

今後ALSIに望むこと

マンネリに陥らないことです。
基幹システムはいちど作って、走り始めると、よほどのことでもないと大きな動きはありません。後は「安定稼働」を合い言葉に、無難を重んじるようになる。しかし「安定稼働」といえば聞こえは良いが、一方で「マンネリ」に陥いる危険がある。それではいけない。SI会社は、常に問題意識を持って我々にメリットのある提案をどんどん出していただきたい。
では、メリットある提案のネタ、改善提案のネタをどこから拾ってくればよいか。改善ポイントを知っているのは、システムを実際に使っている人だけなので、その人たちに直接聞くほかはありません。しかし、今回のSAP運用の場合、使っている人が遠く離れた上海にいる。その人たちとどうやってコミュニケーションし、どうやって次の改善ポイントを見つけていくか、これは今後の課題です。ALSIには、NEUSOFTや現地ヘルプデスクなどを活用しての、「うまい仕組み」を考案してほしいと思います。
今回のSAP運用移管プロジェクトのメインテーマは、コスト削減でした。しかし、今後のALSIとのつきあいを「コスト削減」だけで終わらせたくありません。ぜひ積極的な提案を期待します。レベルの低い提案は却下しますが、メリットがある提案に対しては、発注という形でお応えしましょう。
ALSIには、今後も、今の総力戦感覚、製造業系SIらしさをキープしながら、ユニ・チャームの経理、販売、物流の各システムを幅広くお手伝いいただきたいと思います。今後も宜しくお願いいたします。

今日は貴重なお話しをありがとうございました。


ユニ・チャーム株式会社

http://www.unicharm.co.jp/

所在地:本店/ 愛媛県四国中央市金生町下分182番地 本社事務所
本社/ 東京都港区三田3丁目5番27号住友不動産三田ツインビル西館

設立:1961年2月10日
資本金:15,992百万円
社員数:1,004名 [グループ合計6,030名](2006年3月末現在)
上場証券取引所:東京証券取引所 市場第1部
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、産業資材、食品包材等の販売

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