ALSI (アルシー)

アルシー セキュリティブログ

NEXT GIGAで求められている児童・生徒の安全なインターネット利用の実現方法とは

NEXT GIGAに向けて求められていること

全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、令和2~3年度に「11台端末」と高速通信ネットワークを集中的に整備し、GIGAスクール構想が推進されました。学校現場では活用が進み、効果が実感されつつあります。一方で、以下をはじめとした課題があります。

■課題・求められていること

・故障端末の増加と、子どもたちの学びを止めないような対策

・バッテリーの寿命に伴う端末の早期更新

・自治体間での端末の活用における格差の解消と、端末のさらなる利活用

NEXT GIGAに関連する国の予算について

NEXT GIGAで求められていることに対して、国が出している令和5年度における補正予算として以下3点が出されていますのでご紹介します。

https://www.mext.go.jp/content/20240201-mxt_shuukyo01-000033777_001.pdf 

 GIGAスクール構想の推進~11台端末の着実な更新~

11台端末の利活用が進むにつれて、バッテリーの耐用年数が迫ったり、故障端末が増加したりしています。そのため、GIGAスクール構想第2期(NEXT GIGA)を念頭に、今後、5年程度かけて端末を計画的に更新していかなくてはなりません。端末の故障時においては、子供たちの学びを止めない観点から、予備機の整備も進める必要があり、端末更新において、1台辺り5.5万円を補助することとされています。

② GIGAスクール運営支援センター整備事業

自治体間における格差を解消させるための予算が出されています。全ての学校が端末活用の"試行錯誤"から"日常化"のフェーズに移行し、「子どもの学びのDXを実現していくための支援基盤を構築する」ものとして、この事業が立てられています。具体的には、都道府県を中心とした広域連携の枠組みである「協議会」を設置し、域内全ての自治体がICT活用を推進していく体制を令和5~6年に集中して強化していくことが発表されています。この事業では、これまでの支援メニューの充実を図るとともに、継続して広域的かつ組織的な取組を推進するとして、約35億円の補正予算が出されています。

③ ネットワークアセスメント実施促進事業

自治体間の端末活用における格差を解消し、1人1台端末の利活用をさらに進めていく必要があることが課題として挙がっています。その阻害要因の一つはネットワークの遅延や不具合であるとして、全国的にネットワーク診断(=アセスメント)を推進しており、必要な改善を早急に図るため、ネットワークアセスメント実施促進事業に約23億円が出されています。

これら①~③を進めることで、文科省の目的である"すべての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学び"と"協働的な学びの実現"が見込まれます。その中でも、学校や教育委員会では、①の11台端末の着実な更新に向け、要件を確認し取り組む必要があります。

【更新における要件の概要】

1)共同調達会議への参加

2)共同調達による端末の調達

3)最低スペック基準を満たすこと

4)教員数分の指導者用端末の整備

5)児童生徒が利用する端末を対象としたWebフィルタリング機能の整備

6)各種計画の策定・公表 計画策定要領

具体的な要件について詳しくは、こちらをご覧ください。

要件がいくつかありますが、今回は安全なインターネット利用の実現に向けて取り組めるものとして、Webフィルタリング機能の整備について詳しく確認していきます。

児童・生徒の安全なインターネット利用に活用できるWebフィルタリングの機能とは

児童・生徒が端末を利用するに当たって、違法・有害情報との接触を防ぎ、安心・安全なインターネット利用を補助することが重要です。そのため、11台端末の着実な更新に向けた要件の1つに、児童・生徒が利用する端末を対象としたWeb フィルタリング機能を備えることが補助要件として明記されています。

また、端末調達における端末のスペック・端末整備にあたっての留意点として、最低スペック基準を満たすこと、調達の形式、予備機の整備、堅牢性等、保守、運搬、キッティング及び年次更新等、学習外での過度な端末利用への対応などが記載されています。その中で明記されている「学習外での過度な端末利用への対応」については、Webフィルタリングなどを活用して取り組めることも選定における参考例として挙げられています。以下のいずれかの機能をWebフィルタリングでも対応できると望ましいです。

【学習外での過度な端末利用防止に向けた対応例

・学習外での過度な端末利用を把握するきっかけとなる機能があるもの

・学習外での過度な端末利用の防止に向け、Webフィルタリングを活用して、過度な端末利用を管理者が把握することに資する機能を導入すること

・端末を用いた活動内容の大まかな内訳を自己確認できる機能を児童・生徒が用いること

Webフィルタリング導入において、これらの内容を全て含める必要はありませんが、考慮しつつ検討することが推奨されています。

※補足
既に使用可能なライセンス等を別途保有している場合には、端末の整備・更新に当たって新たに調達する必要はありません。また、OSによっては、標準で提供される場合も想定されますが、端末の活用状況の把握や、安全なインターネット利用の実現、また学習外での端末利用の時間やアクセス先の制限など、これらを補うものとして適切であるかを確認することが望ましいと考えられます。

ALSIの考えるNEXT GIGAで必要なWebフィルタリングとは

何故この機能があるとよいのか、具体的にはどういった機能が必要かを考えてみました。

児童・生徒が安全にインターネットを利用しながら効果的に学習できる環境を構築するため、「誰が、いつ、どんなサイトで、何を行ったのか」を把握できれば、学校全体の端末利用実態が可視化され、情報セキュリティの強化や端末の活用を促進するための前段の取り組みとして期待できます。特に端末の利用状況を把握することが管理者にはますます求められてきています。

また、文部科学省の 「令和5年度補正予算案への対応について」では、端末の稼働状況を把握する機能について、Webフィルタリングを始めとしたものを活用することで実現できる旨も紹介されています。更に、Webフィルタリングについて、今後客観的データに基づく回答をもとめることとなる旨も記載されています。したがって、インターネットアクセスのログ管理に加え、すぐにレポートを使って報告できるような機能が必要となってくると考えられます。

出典:文部科学省の 「令和5年度補正予算案への対応について」

https://www.mext.go.jp/content/20240201-mxt_shuukyo01-000033777_01.pdf

ただ、端末の利用状況を把握しながらログを日々収集し分析する作業には膨大な手間がかかり、大きな負担を感じているシステム管理者も多いのではないでしょうか。ALSIでは、学校における端末の稼働状況の確認や生徒の安全なインターネット利用の実現に向けて、Webフィルタリングサービス「InterSafe GatewayConnection(以下、ISGC)」と、ISGCから取り込んだWebアクセスログを簡単操作で閲覧・分析できる無料のツール「InterSafe LogNavigator(以下、ISLN)」をご提供しています。

ISLNでは、アクセス検索、レポートの表示・エクスポート、分析、アラート発出などができます。これにより、生徒のWebアクセス状況を明らかにし、アクセス設定の改善や問題行動の調査、特定サイトのアクセス検知から確認・分析まで、簡単かつスピーディーに対処することができます。

今回は、学校でも活用できるISLNを使った簡単なインターネットアクセスの管理方法をご紹介します。

InterSafe LogNavigatorを使ったログ分析方法

ISLNでは、学校で児童・生徒の安全なインターネット利用の実現に向けてインターネットのアクセス状況を可視化・把握し、かつレポートで出力することができます。今回は、ISLNのレポート機能、アラート機能をご紹介します。

レポート機能

生徒の細かなアクセス管理として、レポートをカスタマイズし、管理画面で確認するだけでなく、レポートとしてExcelなどに出力することで、報告にも活用できます。例えば、自治体で管理している各学校のアクセス状況をグラフで確認し、端末の利活用があまりされていない学校を把握し、今後の改善を検討することもできます。

【レポート例】

20240806.PNG

またこのレポートをExcelなどで出力することで、日別でのアクセス状況のレポート出力や、月次レポートとして活用することができます。

アラート機能

アラートを発出し、結果をISLNの管理画面で確認することができます。例えば、特定のキーワードを児童・生徒が入力した場合や、特定のカテゴリに含まれるサイトにアクセスしようとした場合にアラートメールを発出し、子どもたちの悩みやトラブルを素早く察知する手助けとして活用できます。

【アラートメール例】

202408062.PNG

まとめ

今回はNEXT GIGAで求められている児童生徒の安全なインターネット利用の実現に向けた対応策としてWebフィルタリングについてご紹介しました。

NEXT GIGAにおける現状や課題、1人1台端末における補助金の更新要件について、フィルタリングの選定ポイントなど、より詳しい内容はこちらのホワイトペーパーでご紹介しておりますので、ぜひダウンロードください。

https://www.alsi.co.jp/resources/whitepapers/security-20

ALSIでは、セキュリティ対策を実現するWebフィルタリングをはじめ、教育機関向けの様々な製品をご提供しています。今後のセキュリティ対策・端末の更新についてお悩みの自治体・学校、そうしたお悩みを持つお客様がいる販売店の皆様、ぜひ一度、ALSIまでご相談ください。

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