はじめに
最近ではSaaSを採用したシステムを構築するお客様が増えてきています。
そのSaaSとのデータ連携においてInformatica Intelligent Cloud Services(以下、IICS)*1のInformatica Cloud Data Integration(クラウドデータ統合:以下、CDI)が採用されるケースも多くなってきています。
IICSには様々な機能がありますが、今回はCDIのSaaS用コネクタであるNativeコネクタ(ServiceNow Connector)と汎用的なコネクタであるREST V2 Connectorをご紹介したいと思います。
汎用的なコネクタであるREST V2 ConnectorでもServiceNow Connectorと同様にServiceNowのテーブルのデータを抽出することが可能ですが、それぞれのコネクタにどのような特徴があるのかを見ていきたいと思います。
*1; IICS(Informatica Intelligence Cloud Services)は、AIを活用した包括的なエンドツーエンドのデータマネジメントプラットフォームを提供するクラウドサービスであるIDMC (Intelligent Data Management Cloud) の一部として利用可能な、すべてのクラウド・ネイティブ・サービスを具現化した「製品」です。
[接続]の作成
2つのコネクタを使用して、ServiceNowからデータを抽出して、FlatFileにデータを出力する連携処理を作成してみて、感じたことなどをまとめたいと思います。
ServiceNow Connectorを使用する場合、ServiceNowのユーザー名、パスワードなどの情報を指定するだけで[接続]を作成できます。
指定する情報が少なく簡単に作成できます。
接続対象のServiceNow向け [接続]を一度作成しておけば、データの抽出、挿入、更新どちらにも使用できます。
一方で、REST V2 Connectorを使用する場合、Swaggerファイルを作成しなければなりません。
まずPostman(Web APIのテストクライアントサービス)などを使用して、リクエストが返ってくるかどうかを確認します。
それを元にSwaggerファイルを作成します。
[接続]を作成する際に作成したSwaggerファイルを格納した場所を指定する箇所があります。
ServiceNow Connectorと比較して、情報を設定する箇所が多く複雑になので作成に時間や手間がかかります。
また、Postmanで返ってきたリクエストを設定する箇所が存在します。
設定しなくても問題ありません。
ServiceNowのテーブルごとにSwaggerファイルと接続コネクタを作成しなければならないので、対象のServiceNowのテーブルが下記のように複数ある場合はServiceNow Connectorなら[接続]は1個、REST V2 Connectorなら3個必要になります。
例)Companyテーブル
Incidentテーブル
Taskテーブル
ServiceNow Connectorを使用するのと比較するとかなり手間がかかってしまいます。
その点ServiceNow Connectorはテーブルごとに[接続]を作成する必要はありません。
マッピング作成
ServiceNow Connectorの場合、他のコネクタ(Amazon S3 Connector、Salesforce Connector)などと同様にソーストランスフォーメーションを使用します。
あとはOracle Connectorのように、テーブルのデータを抽出できます。
REST V2 Connectorの場合、ServiceNow Connectorなどとほぼ同様な使い方ができます。(※要求オプションを設定する必要はあります。)
処理結果
ServiceNow のcompanyテーブルの約1200件のデータを参照する場合、ServiceNow Connectorは37秒、REST V2 Connectorは26秒の処理時間が掛かりました。
つまり、処理速度はREST V2 Connectorの方が速いという結果になりました。
最後に
汎用コネクタであるREST V2 ConnectorとNativeコネクタであるServiceNow Connectorを比較すると、[接続]やマッピング作成の面ではServiceNow Connectorの方が手間や時間が掛からないという特徴がありましたが、参照処理速度の面ではREST V2 Connectorの方が速いという特徴があることがわかりました。
そのことからコネクタ選定時は接続コネクタやマッピングを作成する手間や時間を十分に考慮し、お客様の要望を満たす実現案を提案するのが好ましいと考えています。
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