ログって何? なぜ学校でログが大切なの?
「ログ」と聞くと、難しそうに感じるかもしれません。簡単に言うと、ログとは「コンピューターやシステムがいつ、誰が、何をしたか」という記録のことです。例えば、
・いつ、誰がGoogleドキュメントを開いたか
・いつ、誰がGoogleドライブにファイルをアップロードしたか
・いつ、誰がGoogle Classroomで課題を提出したか
といった情報が、すべてログとして記録されています。
ログが学校で大切な3つの理由
1.セキュリティ対策の強化:
・もし、不審なアクセスがあった場合、ログを調べることで「いつ」「どこから」「誰が」アクセスしたのかを特定し、素早く対応できます。
・万が一、情報漏洩などのトラブルが発生した場合でも、ログがあれば原因を突き止め、再発防止策を立てるのに役立ちます。
2.利用状況の把握と改善:
・子どもたちがどの機能をよく使っているか、どの時間帯に活発に活動しているかなど、ログから利用状況を把握できます。
・これにより、ICT教育の計画を立てる際の参考にしたり、ICT機器の活用が思ったより進んでいない場合の改善策を検討したりできます。
3.トラブルの原因究明:
・「ファイルが見つからない」「共有設定がおかしい」といったトラブルが発生した際に、ログをたどることで、原因がどこにあるのかを効率的に突き止められます。
・先生方や子どもたちからの問い合わせに、より的確に、そして迅速に対応できるようになります。
Google for Educationと「Sumo Logic」の心強い関係
ここまでで、ログが学校のICT環境においていかに重要かをご理解いただけたかと思います。しかし、Google for Educationから出力されるログは膨大で、人間の目ですべてを追いかけるのは非常に困難です。そこで登場するのが、「Sumo Logic(スモーロジック)」というツールです。
Sumo Logic は、さまざまなシステムから送られてくる大量のログを「集めて」「整理して」「分析する」ことに特化したサービスです。例えるなら、散らかった大量の書類(ログ)を自動的に分類し、必要な情報だけを素早く見つけ出してくれる、優秀な事務員のようなものです。
Sumo LogicはGoogle for Educationに対応しているの?
Sumo Logic は、Google for Educationのログ収集にしっかり対応しています。
正確にはGoogle for Educationの基盤となっているGoogle Workspaceに対応しているため、Gmail、Google Drive、Google Classroom、Google Meet など、学校で日常的に使われている主要なサービスのログを取得することができます。
Sumo Logic を導入することで、Google for Educationに含まれているGmail, Google Drive, Google Classroom, Google Meetなど、学校で日常的に使われている主要なサービスのログを自動的に集め、次のようなことができるようになります。
・誰がいつ、どんなファイルにアクセスしたか一目でわかるダッシュボード作成
・不審なログインや操作があった場合にアラートで通知
・特定のキーワードでログを検索し、素早く情報を探し出す
・子どもたちのGoogle Classroomの利用状況をグラフで可視化
このように、Sumo Logic を使うことで、Google for Education の「目に見えない活動」を「見える化」し、学校のICT環境をより安全に、そして効果的に運用できるようになります。
Sumo Logicでできること:具体的な活用例
具体的にSumo Logic を活用すると、学校の現場でどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
1.不審な活動を早期発見! セキュリティ対策
異常なログインの検知:
「いつもと違う国からのログイン」や「夜中など不自然な時間のログイン」があった場合、Sumo Logic が自動で検知し、先生や担当者に通知してくれます。これにより、アカウントの乗っ取りなどの危険を早期に察知し、対処できます。
共有設定の監視:
Googleドライブで誤って機密性の高いファイルが外部に公開されてしまったり、子どもたちが不適切な共有設定をしてしまったりするのを防ぐため、Sumo Logic で共有設定の変更ログを監視できます。
マルウェア・フィッシング対策:
もし、システム内で不審な活動(マルウェアの拡散やフィッシング詐欺の試みなど)が確認された場合、ログからその痕跡をたどり、迅速に被害拡大を防ぐための対策を講じることができます。
2.ICT活用の「見える化」と授業改善
Google Classroomの活用状況:
「どのクラスでGoogle Classroomが活発に使われているか」「課題の提出状況はどうなっているか」などをログから分析し、ICT活用が進んでいないクラスへのサポートや、成功事例の共有に役立てられます。
Google Meetの利用状況:
オンライン授業の実施状況や、誰がどのくらいミーティングに参加しているかなどを把握し、オンライン学習の質の向上に繋げられます。
特定のアプリの利用傾向:
子どもたちがどのGoogle Workspaceアプリ(ドキュメント、スプレッドシート、スライドなど)をよく使っているか、また、どの時間帯に集中して使っているかなどを分析し、今後のICT教育計画の参考にできます。
3.トラブルシューティングの迅速化
「ファイルが見つからない」の解決:
子どもや先生から「Googleドライブのファイルが見つからない」という問い合わせがあった際、Sumo Logicでそのファイル名やアクセス履歴を検索することで、誰がいつ移動したり削除したりしたのかを素早く特定し、解決に導けます。
アカウント問題の特定:
ログインできない、特定の機能が使えないといったアカウント関連のトラブルが発生した場合、ログを分析することで、パスワードのリセット履歴や、アカウントの状態変化などを確認し、原因を特定できます。
導入は難しくない? Sumo Logicの導入について
Sumo Logic は、完全なクラウドサービスで、Google Workspace の管理者情報を入力して連携させることで、わずか3ステップですぐに利用することが可能です。そのため、高価なサーバー機器を学校に設置する必要もありません。
① Sumo Logic の設定画面にある[Sign in with Google] をクリックする。
② アカウントの選択で管理者のGoogleアカウントを選択する。
③ 接続確認の画面が表示されるので、( 続行 ) をクリックする。
もちろん、初期設定や運用に不安がある場合は、弊社までご連絡いただければ、操作をご一緒させていただくことも可能です。GIGAスクール構想で導入されたICT機器を最大限に活用し、安全な学びの環境を構築するためにも、ログ分析は非常に重要な要素となります。
まとめ:ログ活用で、もっと安全で豊かな学校ICT環境を
GIGAスクール構想によって、学校のICT環境は大きく進化しました。Google for Education の導入は、学びの可能性を広げる素晴らしい一歩です。しかし、その裏側にある「ログ」という大切な情報をしっかりと管理し、活用することで、学校のICT環境はさらに安全で、より豊かなものになります。
Sumo Logic のようなログ分析ツールは、先生方やICT担当者の皆さんの負担を減らし、子どもたちが安心してデジタルツールを使える環境を整えるための強力な味方です。目に見えない情報を「見える化」することで、学校のICT運用はより効率化するでしょう。
ぜひこの機会に、Google for Education のログ活用について考えてみませんか?