法要件⑥「検索機能の確保」について
目次 |
1.「検索機能の確保」:該当する条文 |
2.「検索機能の確保」:条文をわかりやすく解説 |
3.「検索機能の確保」:こうやって要件を満たす! |
1.「検索機能の確保」:該当する条文
スキャニング書類の場合、法律上は以下のように規定されています。
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則 (令和4年1月1日施行) 第2条第6項第6号 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を確保しておくこと。 イ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先(ロ及びハにおいて「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。 ロ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。 ハ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。 |
なお、記録項目の具体例については取扱通達に以下のような記載があります。
電子帳簿保存法取扱通達 (令和4年1月1日施行後) (スキャナ保存の検索機能における記録項目) 4-34 規則第2条第6項第6号((検索機能の確保))に規定する「取引年月日その他の 日付、取引金額及び取引先」には、例えば、次に掲げる国税関係書類の区分に応じ、 それぞれ次に定める記録項目がこれに該当する。 ⑴ 領収書 領収年月日、領収金額及び取引先名称 ⑵ 請求書 請求年月日、請求金額及び取引先名称 ⑶ 納品書 納品年月日及び取引先名称 ⑷ 注文書 注文年月日、注文金額及び取引先名称 ⑸ 見積書 見積年月日、見積金額及び取引先名称 (注) 一連番号等を国税関係帳簿書類に記載又は記録することにより施行規則第2条第6項第4号の要件を確保することとしている場合には、当該一連番号等により国税関係帳簿の記録事項及び国税関係 書類を検索することができる機能が必要となることに留意する。※一部省略 |
また、電子取引データの場合、検索機能の確保について法律上以下のように規定されています。
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則 (令和4年1月1日施行) 第四条 法第七条に規定する保存義務者は、電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を、当該取引情報の受領が書面により行われたとした場合又は当該取引情報の送付が書面により行われその写しが作成されたとした場合に、国税に関する法律の規定により、当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間、次に掲げる措置のいずれかを行い、第二条第二項第二号及び第六項第六号並びに同項第七号において準用する同条第二項第一号に掲げる要件に従って保存しなければならない。※一部省略 |
2.「検索機能の確保」:条文をわかりやすく解説
スキャニング書類も電子取引データも等しく施行規則第2条第6項第6号の要件を満たすために
①取引年月日などの日付、取引金額、取引先の3つを検索の条件として設定できること
②日付と金額の範囲指定による検索できること
③二つ以上の記録項目を組み合わせて検索できること
を満たす必要があります。
ただし、電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】の問42の回答の但書にもある通り、税務職員による質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、②、③の機能は不要です。
3.「検索機能の確保」:こうやって要件を満たす!
この仕組みは、経費精算側・文書管理システム側もしくはそれ以外のどこで持つべきか明確な規定はありません。
(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】の問16の回答にも同様の記載があります。)
システム内で「ヴァージョン管理」をしている場合には、「ヴァージョン管理」をしているシステムで持つのが適切であると考えられ、「経費・旅費精算システムECOAS」では文書管理システム側にこの仕組みを持たせています。
なお、規模が小さい場合や2022年1月に間に合わない、等の理由で領収書保管のしくみがシステム化されていない場合は、例えば以下のような対応でも問題ありません。
(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】の問12の回答も併せて参照ください。)
① 証憑(PDF)のファイル名を「取引日付_取引の相手先_金額.pdf」という命名規則に従い名称付与する。
② 証憑格納用に例えば取引先/月別のフォルダを準備し、①のファイルを格納する。
これにより、対象ファイルの検索・ダウンロードはエクスプローラの機能を使って実現することができます。
どこでヴァージョン管理をするかを決定し、それに合わせて検索機能を実現するのが良いでしょう。小規模な場合や正式対応までの仮対応を実施する場合は、ファイル名に検索条件となる値を設定し、フォルダを適切に分けて管理するのが良いでしょう。
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令和3年度改正後の電子帳簿保存法(スキャナ保存/電子取引)の要件を解説
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