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【ヴァージョン管理】⑤令和3年度改正後の電子帳簿保存法(スキャナ保存/電子取引)の要件を解説

法要件⑤「ヴァージョン管理」について

目次
1.「ヴァージョン管理」:該当する条文
2.「ヴァージョン管理」:条文をわかりやすく解説
3.「ヴァージョン管理」:こうやって要件を満たす!

 

1.「ヴァージョン管理」:該当する条文

スキャニング書類の場合、法律上は以下のように規定されています。

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則
(令和4年1月1日施行)

第2条第6項第2号 前号の入力に当たっては、次に掲げる要件を満たす電子計算機処理システムを使用すること。※一部省略
ニ 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について、次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムであること。
(1) 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。
(2) 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。

 

また、電子取引データの場合、ヴァージョン管理について法律上以下のように規定されています。

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則
(令和4年1月1日施行)

第四条 保存義務者は、電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を、次に掲げる措置のいずれかを行い、保存しなければならない。
一 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された後、当該取引情報の授受を行うこと。
二 次に掲げる方法のいずれかにより、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。
イ 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すことを当該取引情報の授受後、速やかに行うこと。
ロ 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すことをその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと(当該取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。)。
三 次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して当該取引情報の授受及び当該電磁的記録の保存を行うこと。
イ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。
ロ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。
四 当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと。

 

 

2.「ヴァージョン管理」:条文をわかりやすく解説

スキャニング書類については、施行規則第2条第6項第2号ニで「訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができる」か「訂正又は削除を行うことができない」システムであることが規定されています(いずれかを満たす場合はタイムスタンプ付与が不要)。
「訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができる」システムの要件について、電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】の問33の回答に詳細な説明がある通り、訂正時は訂正前と訂正後の双方の情報が確認できる、また削除時は削除前の情報が確認できる必要があります。
また、「訂正又は削除を行うことができない」システムの定義については、電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】の問34の回答に記載がある通り、システムが稼働するサーバが自社システムによる時刻改ざん可能性が排除され、NTPサーバと同期し、かつスキャナデータが保存された時刻が記録され、その時刻が変更されていないことを確認できる場合のみ、訂正削除履歴不要なシステム(他者であるクラウド業者が提供するクラウドシステム)がこれに該当します。
一方、電子取引データについては、施行規則第4条第3項イまたはロでヴァージョン管理に関する規定がありますが、それぞれについての具体的な要件はスキャニング書類のところで上述した内容と同じです。

 

 

3.「ヴァージョン管理」:こうやって要件を満たす!

クラウドシステムの場合、データの訂正削除が物理的にできないことを確認してください。
上記が満たされない場合、およびオンプレのシステムの場合、特にスキャニング書類の場合は訂正削除の履歴を管理し、検索できるシステムを導入する必要があります。
この仕組みは、経費精算側・文書管理システム側のどちらで持っていてもよく、「経費・旅費精算システムECOAS」では文書管理システム側にこの仕組みを持たせています。
なお、電子取引データの場合は、「正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程」を作成すればよいという規定になっており、 その規程のサンプルが「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】の問24の回答の中にサンプルがありますので参考してください。

 

「ヴァージョン管理」については、クラウドシステムの場合はまずはデータの訂正削除が物理的にできないかについて確認し、訂正削除の履歴をどのシステムで管理するかを決めたうえで運用するのがよいでしょう。

 

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exSystem.JPG

製品詳細

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令和3年度改正後の電子帳簿保存法(スキャナ保存/電子取引)の要件を解説

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