クラウド移行支援 | 導入事例

株式会社 JUコーポレーション

株式会社 JUコーポレーション

中古車オークションサービスを支えるシステムを Microsoft Azureへスムーズに移行、運用面も改善

中古自動車オークションにインターネット経由で参加・入札できるサービス「JUナビ&JUトレード」を提供しているJUコーポレーション。

同社では、これまでサービスを支えるシステムをオンプレミスで運用してきましたが、ハードウェアの保守切れを機に、オンプレミスからクラウド(Microsoft Azure)への移行を決断。

ALSIをパートナーとしてプロジェクトに取り組み、スムーズな移行を実現すると共に、運用面を大幅に改善しました。

今回は、移行の経緯や効果について、常務取締役 鈴木智明氏とシステム本部 係長 前田直也氏にお話をうかがいました。

写真:株式会社 JUコーポレーション 常務取締役 鈴木 智明 氏<br />システム本部係長 前田 直也 氏<br>
株式会社 JUコーポレーション
常務取締役 鈴木 智明 氏
システム本部係長 前田 直也 氏

ハードウェアの保守切れを機に
運用負荷の軽減を目指し
クラウド移行を決断

JUコーポレーションの事業内容についてお聞かせください。

前田氏 JUとは日本中古自動車販売協会連合会の略称で、当社はその関連会社です。主なサービスとしては、連合会が運営する中古自動車オークションにインターネット経由で参加・入札できる「JUナビ」と「JUトレード」を提供しています。JUナビが会員と会場で直接取引を行うのに対し、JUトレードは当社が取引を仲介するという違いがあります。

サービスの登録会員数は約3万社で、月間30万台以上の車両を取り扱っています。JU系のオークション会場は全国に30カ所以上あり、提携しているメーカー系・企業系オークションを加えると約100会場のオークションに参加できます。私が所属するシステム本部は4名体制で、外部ベンダーの協力を得て両サービスの運用を担っています。

このたびシステムをクラウドへ移行することになった背景を教えてください。

鈴木氏 JUナビおよびJUトレードは、前身が2000年代前半に構築された古いシステムで、年々その維持が難しくなっていました。また、仕様書などが失われてブラックボックス化している部分もあり、システムの中身に触れる者は、開発を担当したベンダーの数名に限られるなど、属人化が大きな問題となっていました。

前田氏 両サービスは外部のデータセンターにサーバーを置き、7年おきにハードウェアを更新するという運用をしてきました。しかし、システム自体は全面的な刷新を行わず、新機能はアドオンで対応してきたため、中には相当古いバージョンのOSも存在していました。

鈴木氏 こうした問題を解決するためには、システムを抜本的に見直す必要がありますが、それにはかなりの手間と時間が掛かります。しかし、2024年1月にハードウェアの保守切れが迫っており、当時は期間・工数の余裕がありませんでした。そこで、まずはシステムをクラウドへそのまま移行し延命を図ることにしたのです。

移行先にMicrosoft Azureを選んだ理由はなんだったのでしょう?

鈴木氏 Windows Server 2012など古いOSも延長サポートが受けられるという点で、Microsoft Azure以外の選択肢はありませんでした。

JUCmen.jpg

プロジェクトについて一緒になって考え、歩む姿勢を評価し
ALSIをパートナーに選択

移行のパートナーにALSIを選ばれた理由をお聞かせください。

前田氏 当社ではJUナビおよびJUトレードの刷新は、他の業務システムの再構築まで含めたDXプロジェクトの一部と位置付けており、Microsoft Azureへの移行はプロジェクトの第一ステップです。移行の検討にあたって以前から付き合いのあるベンダーに相談したところ、ALSIを紹介されました。

鈴木氏 DXプロジェクトは、巨額の投資を要する大掛かりなものです。それがスタートからつまづいてしまうと、後々まで尾を引いてしまいかねません。そこで、パートナーの選定においては、ハードウェアからソフトウェア、プロジェクト体制まで含めて要望を伝えました。

候補として複数のベンダーとお話ししたのですが、ベンダーの立場からすれば、受け入れづらい条件を提示したため、他のベンダーはあまり反応が良くなかったことに加え、ベンダー側で対応できる点、できない点についての回答が曖昧でした。その点、ALSIは不明点に全て回答した上で、私たちの都合に合わせてリードしようとする意識が見え、私たちの要望を100%くみとってくれました。これが決定的なポイントとなりました。

移行のスケジュールを教えてください。

鈴木氏 2023年よりJUナビおよびJUトレードの開発元のベンダーと調整しながら、ALSIと具体的な方策を詰めていきました。4月に正式にプロジェクトを開始し、5月から9月にPoCを実施。並行して本番環境への移行も進め、年末から年始にかけて残りすべての移行作業を終了させ、2024年1月、ギリギリでしたがスケジュール通りに移行を完了させることができました。

移行にあたって工夫された点などあればお聞かせください。

前田氏 最初にDBサーバーと画像サーバー、Webサーバーを対象に移行を実施し、データセンターとMicrosoft Azure間はインターネットVPNで接続して従来通りに処理を継続。次に、転送処理サーバーを移行し、最後にネットワーク環境全体を移行しています。この3ステップを並行して進めることで、プロジェクトの期間短縮を図っています。

鈴木氏 私たちは一部の処理をコンテナ化し、効率良くAzure環境への移行を計画していました。しかし、コンテナ化対象とした処理があまりにも古く、OSや通信プロトコル含めメーカーサポートを受けられない環境であったため、リスクがあると判断し、リスクの無いAzure移行をALSIに仲立ちしてもらうことで、技術面でのアドバイスを受けられ、スムーズに作業を進めることができました。

前田氏 苦労したのが画像データの扱いです。車のオークションでは多くの画像データを使用しますし、かつ、それを何カ月間も保持しなければなりません。これら膨大な量のデータをネットワーク経由で移行するのは難しいため、ALSIに何度か岐阜のデータセンターまで足を運んでもらい、ストレージ経由でコピー作業を実施しました。その際、本番稼働中のシステムを止めることはできないので、作業にはかなり気を遣いました。


秒単位でのレスポンスが実現、
柔軟なシステム構成や
状況の把握も可能に

移行してどのような効果が得られましたか?

前田氏 クラウド環境への移行にあたり、特に重視したのがレスポンスの部分です。オークションでの競りは秒以下の争いなので、慎重に検証を行いました。幸い、移行後に影響を及ぼすような遅延は一切なく、会員の皆さんもシステムが移行したことにはまったく気付いていないと思います。

また、クラウドに移行したことで、システムの拡張・縮小などの変更が柔軟にできるようになりました。以前は、オンプレミス環境の将来のバッファまで計 算してスペックやシステム構成を検討する必要がありましたが、これからは常に必要な分だけ用意できるため、コスト削減につながると考えています。機能追加などの対応でも、従来はハードウェア保守の視点からサポート期間を意識した計画を立てる必要がありましたが、そうした縛りもなくなりました。

日々の運用についての効果はいかがでしょうか?

前田氏 Microsoft Azureのポータルを活用し、トラフィックやサーバーの状況をリアルタイムで把握できるようになりました。また、ALSIにダッシュボードを作成してもらったことで、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)なども含め、ある程度の監視ができるように なりました。従来は管理画面や監視手法の提供がなく、何か問題が発生したときも、ベンダーに問い合わせて調べてもらった結果を聞くだけでしたが、今では常に状況を把握できるようになりましたので、スムーズに対応できるようになると思います。

JUC_DashBoard.jpg

ALSIの協力のもと、
各組合が利用する業務システムも刷新

今後の展望をお聞かせください。

前田氏 このたび32台の仮想サーバーを移行しました。そこで次の段階として、これら仮想サーバーをある程度まで統合し、運用コスト削減を目指します。

また、JUナビおよびJUトレードの刷新と合わせて進めているのが、47都道府県の各組合がそれぞれ構築・運用してきたオークション会場向け業務システムの刷新です。これは「JUコネクト」の名称で新たにMicrosoft Azure上で構築。標準システムとして提供し、各組合が利用できるようにします。

鈴木氏 JUコネクトの構築にあたってはALSIの協力のもと、ノーコード/ローコードツールやクラウド上のツールなどを活用して開発を進めており、2024年度中のカットオーバーを目指しています。JUコネクトは、JUナビおよびJUトレードとのデータ連携が必須となるため、今回の移行における知見とノウハウを持ち、当社の業務を深く理解しているALSIの存在はとても心強いです。


株式会社 JUコーポレーション

https://www.junavi.jp/Html/company.html

所在地:〒163-0431 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 新宿三井ビルディング31階

1998年設立。一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会(JAPAN USED CAR DEALERS ASSOCIATION=JU)の関連会社として、オートオークションシステムの企画・開発・運用、各県中古車販売商工組合が開催する中古自動車オークションの事業活性化支援を行っています。 現在は、会員が会場と直接取引できる「JUナビ」、およびJUコーポレーションが取引仲介を行う「JUトレード」を提供。日本の中古車市場のネット化による拡充を目指しています。

製品について詳しく知りたい


関連する導入事例

中古車オークションサービスを支えるシステムを Microsoft Azureへスムーズに移行、運用面も改善


導入事例 | 検索

業界から探す

製品サービスで探す

セキュリティ
デジタルソリューション
AI・IoT