教育 | 導入事例

千曲市教育委員会

アクセスログの分析に
かかる時間が1/3に
子どもたちが安心して学習端末を
利用できる環境を実現

かねてより学校現場でICTの積極活用に取り組んでいた千曲市教育委員会。同市は文部科学省のGIGAスクール構想のもと、2021年2月に市内すべての小・中学校でChromebookを採用しました。
それと同時に、安心してインターネットが利用できる環境を整えるべく、アルプス システム インテグレーション(以下、ALSI)のクラウド型Webフィルタリングサービス「InterSafe GatewayConnection」を導入。
さらに2023年度には、Webアクセスログを容易に分析できる「InterSafe LogNavigator」の活用を開始しました。これにより、子どもたちのインターネットの利用状況を把握し、インシデントが発生しても即応できる体制を実現しています。

写真:千曲市教育委員会 教育総務課 学校教育係<br>主査(導入当時)髙松まつみ氏/主査 和田貴裕氏
千曲市教育委員会
教育総務課 学校教育係
主査(導入当時)髙松まつみ氏/主査 和田貴裕氏

膨大な量のアクセスログ
調査にはかなりの手間と時間が必要

千曲市の教育におけるICTの活用について教えてください。

髙松氏2020年、当市は文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」に基づき、市内にある小中学校が利用している教育ネットワーク基盤を増強。合わせて学習用端末にChromebookを採用し、1人1台端末を使える環境を整えました。現在は市内の小学校9校・中学校4校、合計約4,200人がChromebookを利用しながら学びを深めています。

和田氏当市における教育の特長として、ICTの積極的な活用が挙げられます。2024年、文部科学省が「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト」に基づく自己点検結果および学校(教員)向けヒアリング結果を公表しました。おかげさまで当市の校務DXの達成状況は、平均得点で県内19市のトップとなりました。このように、当市の学校現場におけるICT活用は、教育県として知られる長野県の中でも特に進んでいると自負しています。

InterSafe GatewayConnection (以下ISGC)を導入した背景を教えてください。

髙松氏当市では、GIGAスクール構想へ対応する前から各校のパソコン教室でICT教育を実施していました。当時は他社のフィルタリングをオンプレミスサーバーで運用していたのですが、ポリシー設定・ユーザー管理がシステム上煩雑で、使いやすいものとはいえませんでした。

また、子どもというものは規制の穴をかいくぐり、大人が想像できないような抜け道を見つけてきます。そうした発想に驚かされる一方、インターネット利用の安全面に不安を感じていたのも事実でした。そこで1人1台環境を整備するにあたり、子どもたちや先生方が安心して使えるか、運用管理が容易か、コストが適正かなど、総合的な観点から複数のフィルタリングサービスの比較・検討を行い、最終的にISGCの導入に至りました。

導入効果はいかがでしょうか。

和田氏子どもたちがインターネットを利用する際の安全度は確実に高まりました。また、ユーザーの管理などの運用は私が担当しているのですが、スムーズに対応できています。

その後の学校でのインターネットの利用状況はどうなったのでしょうか。

高松氏子どもたちや先生方もChromebookの使い方に慣れ、インターネットのルールやマナーに対する理解も深まってきました。ただ、それでも年に数件は、インシデントとまではいかないものの、ちょっとした事案が発生し、子どもたちがどのような端末の使い方をしていたのか、状況を知りたいという先生方からの相談がありました。

当然ながら、先生方は事案の解決に向けて、少しでも早く調査結果を知りたいと待っています。アクセス許可の件であれば、ホワイトリスト/ブラックリストを変更すればすぐに対応できるのですが、アクセスログの調査となるとどうしても手間や時間がかかります。

ログの量は、子どもたちの利用状況によって変わりますが、Chromebook導入時、すでに件数で1日当たり80万件を超えるログがありました。ISGCは、複数のサーバーに通信を分散させフィルタリングを課しているため、通信の遅延はないのですが、ログは複数のサーバーにそのままアーカイブされています。特定の1日分のログを取得するためには、サーバー群それぞれよりログデータを抽出し、最終的にcsvまでコンバートして、数十万件のデータを結合する作業が必要で、その後、そこから調査対象となる情報を絞り込んでいきます。しかし、サイトの中には、実際に利用しないと状況が確認できないものもあり、ユーザーとして利用しながら調査を行うこともありました。これらをすべて行い、最終的に資料として先生に提示できる文書に仕上げるためにはかなりの労力が必要で、場合によっては残業や休日返上になることもありました。


特定のアクセス状況を容易に抽出可能
分析にかかる時間が1/3に

InterSafe LogNavigatorを導入した理由についてお聞かせください。

高松氏前述の問題があったため、ISGCのアクセスログをもっと簡単に分析できるようにしたいと思っていたところ、2022年度末にInterSafe LogNavigatorのベータ版を試用してみませんかとご連絡をいただきました。実際に使ってみると、期待していた通りの機能でした。加えてISGCのユーザーには無償で提供されると聞き、有償オプションに相当する機能であると感じていたため、本当に無償なのか何度も確認してしまいました。

導入効果はいかがですか。

高松氏とにかく短時間でアクセスログを分析できるようになったのはうれしいです。体感的にはこれまでの3分の1くらいになったように感じています。学校からの調査の依頼は、できるかぎり速やかに結果を出さなければなりません。その点、InterSafe LogNavigatorがあれば、特定の情報を短時間で容易に抽出し効率的に分析できるため、調査及び資料の作成に要する時間も大幅に削減されました。

また、直接的な効果とはいえないかもしれませんが、以前に比べると先生方からの相談の数そのものが減っています。子どもたちが学習端末の利用に慣れ、正しい使い方が定着してきたということでしょう。当市では、セキュリティの安全確保及び学習活動のために、各種ログの一定期間の保存について、保護者の同意を得ています。そして家庭においても、保護者から児童生徒に、学習ツールとしての端末の使い方を考えさせる声掛けをしていただいています。そのこともあり、三者でインシデントの発生を抑える結果につながっているのかもしれません。

和田氏私が教育委員会でICTにかかわるようになったのは2023年度からなのですが、グラフィカルな画面で操作も分かりやすいです。この先、職員の異動等があっても業務に遅延なく管理ができると思います。


統計的な資料の作成などにも
InterSafe LogNavigatorを活用したい

今後の展望についてお聞かせください。

高松氏学習端末の活用については、デジタルシチズンシップ教育を進めていることもあり、子どもたちの気づきを尊重したいと考えています。学校での先生方の指導や家庭における親御さんの責任のもとで、教科書やノートなどの文具のひとつとして学習端末を使うことの大切さを伝え、どのような使い方をしていけばよいのか、子どもたちに自律的に考えていってもらいたいですね。また、せっかくInterSafe LogNavigatorのようなツールがあるのですから、統計的な資料など、そういったものの作成が必要になったときにも有効に活用していければと考えています。

ALSIへのご要望がありましたらお聞かせください。

和田氏今では1人1台端末が定着し、調べ物に利用したり、ドリルなどのデジタル教材を使ったりすることが増えています。そのようなとき過度にフィルタリングされてしまうことのないよう、教育現場にあわせたカテゴライズを強化してくれると便利に効率的に活用が進むと思います。ALSIには、これからも臨機応変に対応できる柔軟な仕組みを提供してもらえると嬉しいです。


所在地:〒387-8511 長野県千曲市杭瀬下2-1

千曲市教育委員会では、「誰も取り残さずに、子ども一人ひとりの多様な個性を優しく照らす教育」「自立して社会を生きる力と、学びの原動力となる夢を持ち、挑戦しようとする意欲を育む教育」「学校・家庭・地域のあらゆる世代と様々な分野の人たちが、子どもの育ちを支えることでつながる教育(活動)」という基本理念のもと、「千曲っ子が元気に育つ、生涯学びのまちの構築」に向けたさまざまな取り組みを推進。「一人ひとりの個性を照らす 生きる力と夢を育む 育ちを支え、人がつながる 千曲の教育」の実現を目指しています。

製品について詳しく知りたい


関連する導入事例

アクセスログの分析に かかる時間が1/3に 子どもたちが安心して学習端末を 利用できる環境を実現

生徒が自由かつ安全にインターネットを利用できる環境を実現 総合的な探求学習の深化に期待が高まる

学習用端末にInterSafe GatewayConnectionを採用 持ち帰り学習を視野に、安心して インターネットを利用できる環境が実現


導入事例 | 検索

業界から探す

製品サービスで探す