GatewayConnection | 導入事例
郡山市教育委員会
学習用端末にInterSafe GatewayConnectionを採用
持ち帰り学習を視野に、安心して
インターネットを利用できる環境が実現
郡山市教育委員会では、文部科学省が推進するGIGAスクール構想へ対応するため、市内すべての公立小中学校の児童・生徒および教員に対し、合計26,295台の学習用端末(iPad)を配付。併せてセキュリティ対策としてアルプス システム インテグレーション(以下、ALSI)のクラウド型Webフィルタリングサービス「InterSafe GatewayConnection(以下、ISGC)」を導入しました。これにより、セキュアにインターネットを利用できる環境が実現し、持ち帰り学習にも対応可能となりました。今回は導入の経緯、運用状況、今後の展望について、同委員会でプロジェクトを担当した所長の難波和生氏と指導主事の園部毅氏、導入作業を担ったエフコムの伊藤裕之氏にお話をうかがいます。
- 郡山市教育委員会
郡山市教育委員会 教育研修センター 所長 難波 和生 氏(左から3番目)、指導主事 園部 毅 氏(右から3番目) 、株式会社エフコム 営業本部 文教営業部 リーダー 伊藤 裕之 氏(左から1番目)
「学び」を充実させ、変革し、格差のない環境を整えるために
郡山市教育研修センターの役割について教えてください。
難波氏 ひとつが研修です。市立学校の教職員研修、具体的には基本研修、職能研修、専門研修を年に150回以上実施しています。また、SNS等によるネットトラブルの実態やトラブル防止に関する事例の紹介や、演習を通じた研修も行っています。さらに、ICT出前講座も実施しており、センターの指導主事が要望のあった学校へ出向くこともあります。
もうひとつの役割が文部科学省によるGIGAスクール構想の推進と運用です。構想のベースとなる1人1台環境を整備するため、学習用端末(iPad)の調達を行いました。2022年4月には、1人1台環境の安定した運用を支えるため、ネットワーク障害への対応やICTヘルプデスクの機能を有する「郡山市GIGAスクール運営支援センター」を開設しました。加えて、9月からは児童生徒の家庭からの問い合わせなどに対応する「休日ICTヘルプデスク」も開始する予定です。
どのような方針で1人1台環境の整備を進められたのですか。
難波氏 学習用端末の導入の目的は、これまで以上に「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させ、新学習指導要領に基づいた児童生徒の資質・能力を育成するとともに、情報活用能力を育成することにあります。また、郡山市の教育方針としては「授業の変革」「学びの変革」「家庭学習の変革」という3つの改革を掲げていますが、学習用端末はその実現に不可欠なツールです。
園部氏 学習用端末については、2019年11月から2020年末にかけて順次導入、49小学校、25中学校、2義務教育学校の児童生徒約2万4400人に1人1台体制を整えました。現在では、学習者用LTE型iPadが小学校に3052台、中学校に2670台の合計5722台。学習者用Wi-Fi型iPadが小学校に1万3208台、中学校に5793台の合計1万9001台。これに教員用端末の1572台を合わせて、合計2万6295台を導入しました。なお、授業支援アプリはロイロノート・スクールを活用しています。
難波氏 LTE型が一定数を占めている理由は、すべての家庭にWi-Fi環境があるわけではなく、また、あってもスピードや安定性に差があるからです。さらに各学校も、規模や設備が大きく異なります。そうした中で格差のない学びの環境を整えるために、一定数のLTE型を導入しています。
持ち帰り学習の実現を目指しISGCを採用、
実績とサポート力を高く評価
ISGCを導入した理由を教えてください。
園部氏 児童・生徒に安心してインターネットを利用してもらうためには、フィルタリングの仕組みは必須です。そこで、2万6295台の学習用端末のうち、初期に整備したLTE型を除く約2万3300台のiPadにISGCを導入しました。ISGCを選んだ理由ですが、郡山市では10年以上前からオンプレミス型のWebフィルタリングソフト「InterSafe WebFilter(以下、ISWF)」をパソコン教室等で利用しており、豊富なフィルタリングカテゴリー数、シェアNo.1の実績などを高く評価していました。それに加えて大きかったのがサポート力です。何かトラブルが発生しても迅速に対応してくれるため、信頼感・安心感がありました。
ISGCはクラウド型製品となりますが、導入の決め手となったポイントはありますか。
伊藤氏 郡山市の将来の構想のひとつに持ち帰り学習があったため、クラウド型のサービスを提案させていただきました。ISGCは、高精度なWebフィルタリングに定評のあるISWFと同等の機能をクラウドサービスとして提供しており、児童・生徒、教員が場所を選ばずインターネットを安全に利用できることが決め手となりました。
また、管理者にとっての使い勝手の良さもポイントでした。デバイス情報は管理コンソールに一覧表示できるため、導入時のデバイス管理も容易でした。
運用で苦労した点などはありましたか?
難波氏 iPadを使ってYouTubeを見たい、ゲームで遊びたいという児童・生徒は少なからずいます。そうした中、こちらとしてもまったく想像のつかない方法で制限を解除しようとする児童・生徒がいましたが、エフコムとALSIが迅速に対応してくれたおかげで、大きなトラブルに発展せずに済みました。
学習用端末の活用を妨げずにセキュアな環境を実現
フィルタリングはどのように設定されていますか。また、導入で得られた効果は何でしょう?
園部氏 SNSやチャットは利用不可にしています。サイトについては、アダルト、暴力、金融・ネットバンキングなどのほか、学習に関係のない動画サイトは閲覧をブロックしています。ただし、ブロックしているカテゴリのサイトでも、授業で使用したいコンテンツが含まれていることもあるので、そうした場合は規制解除申請をしてもらっています。申請については、研修センターでサイトや動画の内容をすべて確認した上で解除の可否を判断しています。ISGCでは、文部科学省が提供するYouTubeチャンネルの動画のみ視聴を許可できる機能がありますが、一つひとつ確認する手間が省けるという点では非常に便利ですね。
難波氏 現在、学習用端末は通常の授業のほか、コロナ禍におけるリモート授業や不登校の児童生徒に向けたオンライン学習などにも活用しています。基本的には、こうした便利なツールの活用を制限したくありません。しかし、インターネットの世界は、ある意味無法地帯です。未熟な児童・生徒を無防備なままそのような世界に向き合わせるわけにはいきませんので、ISGCのようなしっかりしたフィルタリングの存在が不可欠だと考えています。フィルタリングがあることで、子どもたちは安全にインターネットを利用できますし、保護者や教員には安心を与えられると思います。
難波氏 2022年3月のことですが、卒業を控えた小学校6年生の児童が入院中で、そのままでは卒業式に参加できない状態でした。そこで、先生方が何とかできないかと考え、ビデオ会議の「Zoom」で病院と学校を繋ぎ、リアルタイムで卒業証書の授与を行ったのです。本人も、先生も、児童も、保護者も皆が喜ぶ感動的な卒業式が実現しましたが、その背景として安全・安心なインターネット利用環境が整備されたのは大きいと考えています。
今後の展望をお聞かせください。
難波氏 端末の持ち帰り学習です。実施時期は各学校の判断に任せていますが、2022年6月にスタディサプリを契約しましたし、これからしっかりと推進していきたいと思っています。夏休みには全校で持ち帰り学習を実施し、クラウド型教科ドリルを活用した宿題の配信を実施する予定ですが、その際にはISGCによる安全・安心なインターネット環境が大いに貢献してくれるものと期待しています。
所在地:〒963-0922 福島県郡山市西田町三町目竹ノ内129-1
郡山市教育委員会は、直面するさまざまな課題に戦略的に取り組み、教育施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、2020年度~2024年度の5年間の教育施策の指針となる、第3期郡山市教育振興基本計画を策定。「ともに学び」「ともに育み」「未来を拓く」の3つの言葉を教育の基本理念とした上で、学校教育分野・生涯学習分野の2分野において5つの基本目標(①個性を伸ばし生きる力を育む学校教育の推進、②家庭や地域と一体となった豊かな教育環境の形成、③未来へつなぐ教育機関の充実、④家庭・地域・学校で取り組む子どもの育ちの支援、⑤生涯を通して学び、地域づくりにいかす環境の整備)を掲げ、その実現に取り組んでいます。
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