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千葉県印西市教育委員会

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学校情報を提供するツールとして成長

印西市教育委員会では、平成22年度、全小中学校29校(小学校20校、中学校9校)に、校務用PCを配備、校務支援システムやメール配信システム「スクールメール」を導入した。安全情報の提供という目的で導入した「スクールメール」は、現在では各校が様々な目的で日常的に使っているという。導入の経緯とスムーズな運用のポイントについて印西市教育センターの松本博幸指導主事に聞いた。

写真:千葉県印西市教育委員会 松本博幸指導主事
千葉県印西市教育委員会
松本博幸指導主事

緊急時に対応できるメール配信システムを

かつて、緊急に知らせなければならない情報を連絡する最もポピュラーな手段は、電話連絡網であった。それに代わり、かつプラスαの役割を果たすものとして、メール配信システムを利用した連絡網の導入が各自治体で増えている。
各自治体での導入のきっかけと運用、活用効果について聞いた。


導入のきっかけ

松本氏は「学校において情報伝達の手法は、数多く持っていることが重要。そこで紙やWeb掲載のほか、電話連絡網に代わるメール配信システムの導入にも着手した」と話す。数あるメール配信システムの中、スクールメール導入に至った第一の理由が新規登録の手間が簡便であるなど、使い勝手の良い点だ。
「メール配信をする方法はいろいろあり、最も安価なのが、メーラーを使った一斉配信。これは担当者の負担がものすごく大きい。正確さを期すために保護者のメールアドレスを紙でもらい、それを住所や学年、兄弟姉妹関係など、情報を登録する際にカテゴリ分けする作業が煩雑で、校務の合間を縫ってその作業を進めるのに多くの時間がかかっていた。この手間は二度と繰り返したくなかった」
その点、スクールメールならば、保護者からの携帯電話やPCから簡単に登録できる。クラスや学年などのカテゴリ分けも同時にできるため、すぐに活用できる。

進級処理が自動化されている点も便利だ。以前は手作業で進級処理をしたこともあり、膨大な手間が必要であった。スクールメールならば自動的に進級し、名簿が書き換わるので業務の効率化につながる。
過去には、市一括で一斉メール配信システムを導入していたこともある。しかしクライアントPCにインストールするタイプであったため、メール配信作業ができるPCが限られるという不便さがあった。スクールメールならば、送信する端末を選ばずにいつでもどこからでもメールを送ることができるため、活用の幅が広がりやすい。
個人情報保護がクリアになる点も選定のポイントの1つだ。市のポリシーでは、個人情報は教育委員会で管理する必要がある。無料のメール配信システムでは、アドレス管理を外部に委託する形になり、市のポリシーに反する。その点もスクールメールはクリアしている。


校外学習で活用広がる

導入後、活用の浸透も速かったという。
スクールメールを全校に一斉導入したのは、平成22年の6月。夏季休業期間中に講習を行い、各校事情で順次活用をスタートしたところ、年度末には全29校中27校でスクールメールが稼働した。

「当初は安全情報の配信を主体に考えていたが、導入時講習後、早い学校では1か月以内に各校の独自情報の配信が始まった。緊急時の対応を超え、学校からのきめ細かい情報提供のためのツールのひとつに成長しつつある」と言う。
「具体的には、体育祭や修学旅行、校外学習の案内や、奉仕活動、家庭教育学級のお知らせ、学級閉鎖や臨時休業、地震の際には避難所開設のお知らせや下校時刻の変更、寒波に伴う対応、資源ごみ回収など、緊急性を伴うものはもちろん、従来ではプリントで配っていた内容も配信されている。特に校外学習などの多い10月には活用頻度が上がった。

「3月に起きた地震の際には、電話が使えなかったことから電話連絡網が使えず、スクールメールを使って子どもたちの待機場所やお迎えに関するお願いなど、保護者に迅速に情報を届けていた。ネット配信の強みが生かされた。導入した甲斐があった」


機能の限定で運用スムーズに

スムーズな運用のポイントは何か。
「このシステムを使う意義を理解してもらい、それを実現する機能だけを見せることで、誰でもすぐに使い始めることができるようにした。使い慣れてくるうちに、こんな機能が欲しい、こういうことをやってみたい、という要望が学校から上がるようになる。そのとき初めて他の機能を見せるようにした」
このような流れとしたのは、導入前、幅広い年齢層からの反応を検証したことにある。
「選定する際は、幅広い年齢層の教員と一緒に、様々なアプリケーションやシステムを見てきたが、その際に評価が低かったのは、多機能のものだった。便利かもしれないがよくわからない、という反応が多かった」
そこで、多様な機能は持っていたとしても、初期導入時には機能を限定、当初はログインしてメール作成画面を選び、送信ボタンを押すだけの、初心者でも迷わない使い勝手とした。これにより、すべての教員にとって最初の一歩が楽になった。


システム統一で情報伝達迅速に

スクールメールは、各校ニーズに合わせてカスタマイズができると同時に、市内で同じシステムを使うことができる。各校のメール配信システムを統一することは、様々なメリットを生む。
「これまで各学校は、教育委員会のメールやFAXの情報から文面を作成して保護者に送っていた。スクールメールを使えば、教育委員会から学校向けに防犯情報を送ると、各校では、その文面をそのまま使って学校から保護者に送ることができるようになり、教育委員会からワンストップに近い形で各学校に情報を流すことができる。これは迅速で正確な情報伝達につながる」
さらに、システムの統一により、想定されるトラブルに対する解決法もある程度予想がつくため、トラブル対応もスムーズになった。


講習は毎年実施

講習は年1回、年度始めに行う。対象は教頭と情報主任、安全担当など。
本格的に稼働して2年目を迎えた今、学校の反応はどうか。
「導入当初は覚えることが多くなった、という声もあったが、今では便利さを感じている教員が増えている。防犯情報を正確・迅速に全学校に送ることができれば良いと考えての導入だったが、校外学習の際の学校への到着時間や持ち物確認、行事のお知らせなど、各校ニーズで自由に使われている。今年度は、より様々な学校で様々な活用方法が出てくるのでは」と大きな期待をよせる。


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http://www.city.inzai.chiba.jp/

所在地:〒 270‐1396 千葉県印西市大森2364‐2

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