デジタルソリューション | 導入事例

アルプスアルパイン株式会社

アルプスアルパイン株式会社

大幅なコスト削減とともに、ログを確実に取得・分析できる仕組みを実現
セキュリティや働き方改革への活用を目指す

自動車産業をはじめ、モバイル、民生機器などさまざまな市場に向けて新たな価値を創造し続けているアルプスアルパイン。同社では、IT資産管理/セキュリティ管理のために導入した製品が期待した効果を発揮できないという悩みを抱えていました。そこで同社は、アルプス システム インテグレーション(以下、ALSI)が提供するログ管理・分析・クラウドSIEMソリューション「Sumo Logic(スモーロジック)」を採用。ログを確実に取得・分析できる仕組みを整え、セキュリティだけでなく働き方改革の面からも活用可能な環境を実現しました。今回は導入の経緯と効果、将来の展望について、情報システム部 部長の清水直樹氏にお話をうかがいます。

写真:アルプスアルパイン株式会社 情報システム部 部長 清水 直樹 氏
アルプスアルパイン株式会社
情報システム部 部長 清水 直樹 氏

せっかく導入したIT資産管理/
セキュリティ管理製品がうまく機能せず、
ログが取得できない

「Sumo Logic」の導入を検討された背景についてお聞かせください。

当社は2019年1月にアルプス電気とアルパイン株式会社が経営統合しました。統合前の2018年、アルプス電気(当時)でIT資産管理/セキュリティ管理の機能を備えた製品を導入したのですが、これが期待したほど効果を発揮できていませんでした。セキュリティ対策の強化や運用の改善にはログの取得・分析が欠かせませんが、USBメモリへの書き出しなどのログがうまく取得できなかったのです。また、私たちがやりたいことをすべて実現しようとすると、そのための機能がオプション扱いになってしまうため、ライセンスの金額が高くついてしまうという問題もありました。そのため、これまではログを貯めているだけで、分析・活用までは手を付けられなかったのです。

ログの活用は、何もセキュリティだけに限定されるものではありません。膨大な量のログを取得・分析し、何が起こっているのか状況を可視化していくと、さまざまな業務で活用できます。当社でも、5年ほど前から働き方改革に取り組むにあたり、PCの操作ログなどをもとに個々の社員の業務内容を可視化し、効率化を図る試みを進めていました。

近年、企業における働き方改革の重要性はますます大きくなってきています。それだけに、こうした取り組みはなんとしても成功させなければなりません。そのためにもログを確実に取得したうえで、分析・活用できる仕組みが欲しいと考えて再度検討を開始していました。ちょうどそのころ、旧アルパイン側で導入していたウイルス対策製品の更新時期が迫っていました。ところが見積を依頼したところ、従来の3倍ほどライセンス費用がかかることがわかったのです。そこで、Windowsの標準機能のログを取得・分析することによりウイルス対策製品が担ってきた役割を代替できないかと思い、合わせて見直しを検討することにしました。

コスト面で大きなメリット、
使いやすいGUIも高く評価

Sumo Logicを選定した理由についてお聞かせください。他にも検討した製品はあったのでしょうか。

2019年1月の経営統合後、社内外に散在しているログを容易に取得でき、手間をかけることなく分析・活用可能な製品として、Sumo Logicともうひとつ他社製品をピックアップし、2019年9月よりPoCを実施して、両者を比較しました。

他社製品は、当該分野ではかなり有名な製品ですが、結果から言うと機能面で両者の差はほとんどありませんでした。ただ、他社製品はライセンス体系がピーク時のデータ転送量によって課金されるのに対し、Sumo Logicは月の平均値に対して課金されるためコストが1/2で済み、大きな差が出ることが想定されました。

また、他社製品は操作を覚えて使いこなせるようになるまでが、かなり大変そうな印象を持ちました。その点、Sumo LogicはシンプルなGUIを採用しており、操作がとてもわかりやすいのがよかったですね。こうした点を評価し、2020年6月にSumo Logicの採用を決めました。

導入のスケジュールはどのように進みましたか。

2020年8月にウイルス対策ソフトのライセンスが切れることから、それに合わせて導入する必要がありました。そこで、旧アルパイン側で先行して導入し、その後旧アルプス側での導入作業を進めています。現在も順次、展開しているところです。

複数の領域での大幅なコスト削減を実現、
業務の可視化をテーマとしたログ活用も進む

Sumo Logicの導入効果についてお聞かせください。

まずコスト面ですが、既存の製品と比べて費用を6割減らすことができました。さらに、Sumo LogicとWindows標準機能を組み合わせることで、これまでウイルス対策製品が行っていた領域をカバーできるようになり、年間数千万円分のコスト削減を実現しました。

機能面では、必要なログが確実かつ容易に取得できるようになりました。これにより、ログの十分な活用が可能になっています。いま当社が特に注力しているのは、Microsoft 365のアクセスログを取得し、これまで集めたログと付け合わせて分析することです。これにより、社員がどのような業務に、どのくらいの時間をかけているのか把握したいと考えています。以前、社員の業務状況分析をした際には、業務の多くを「会議」が占めていました。業務生産性向上のカギとなる「会議」の状況を可視化することで、いっそうの効率化が図れるのではないかと考えています。

現在、東京本社では約6割の社員がテレワークを行っています。このように社外でのPC利用が広がっていくにつれ、状況の可視化は必要不可欠なものになるでしょう。これはセキュリティ対策をしっかりやるというだけでなく、テレワークにおける労務管理をどうしていくかという課題へのひとつの回答になると思います。

分析の結果を現場にフィードバック、
業務の改善や効率化に役立ててもらう

将来の展望についてはいかがですか。

2020年10月中にSumo Logicの国内展開を完了させる予定です。また、海外拠点についても年内の完了を目指しています。

今後ですが、現場から収集したさまざまなログを分析し、その結果をわかりやすいデータとして現場にフィードバックしていきたいと考えています。PC利用の実状を的確に把握し、この業務にはこれだけ時間がかかっているなどのデータがわかれば、業務の改善や効率化に役立ててもらうことができるはずです。

どうすれば作業時間を短縮できるのか、文書作成や資料作成、立案などをうまく進めるためには何をすればよいのかなどが、スキルが高い人のログをもとに明らかになれば、それぞれの部門の改革につながったり、個人がモチベーションを高めたりするきっかけになると思います。さらに、新生アルプスアルパインの統合によるシナジー効果を推進させる効果も期待しています。

ALSIへの評価、期待についてお聞かせください。

今回の導入は、採用の決定から2カ月という短期間で実施する必要がありました。よってかなりタイトなスケジュールとなりましたが、ALSIが的確にサポートしてくれたこと、Windowsの機能とのつなぎの部分を迅速に作成してくれたことにより、ひと月半で移行させることができました。この点、非常に感謝しております。

今後に期待したいことですが、これから当社が働き方改革や業務改善を推進していくためには、取得した膨大な量のログの活用が不可欠です。そのためにも、データとして活用しやすくできるよう、分析テンプレートを充実させてほしいですね。また、Sumo Logicの新しい使い方の提案についても期待しています。


アルプスアルパイン株式会社

https://www.alpsalpine.com/j/

所在地:〒145-8501 東京都大田区雪谷大塚町1-7

2019年1月の経営統合により、アルプス電気、アルパインは「アルプスアルパイン株式会社」として新たにスタートしました。大変革期にある自動車産業をはじめ、モバイル、民生機器、更にはエネルギーやヘルスケア、インダストリーなどさまざまな市場へ、これまで培ってきた「HMI(Human Machine Interface)」「SENSORING™」「コネクティビティ」の3つのコアデバイス技術とシステム設計力およびソフトウエア開発力を融合・進化させた新たな価値を創造しつづけることで、世界中の人々の豊かな暮らしに貢献してまいります。

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